おっでーはいつも沼の中

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campagnolo BORA WTO 60 導入までの経緯とインプレ

もうリムブレーキ用の機材は生やさないと言ったな?

 

あれは嘘だ。

 

 

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冒頭の通りディスクが主流になりつつある昨今、リムブレーキ用のホイールを生やすつもりはもう無かったのに気が付けば手元にやってきたこのホイール。

 

何故今になってBORA WTOを導入するに至ったのか、まずは自分の中での自転車に対するスタンスと最近盛んに議論されつつある「ディスクvsリム」論争に関する自分の考えも含めて自分の頭の中で纏めてみる意味でもここに書き記していきたいと思う。

 

・ディスクブレーキって今の自分に要るの?

思い返せば昨シーズンにscylonを電動化したのもディスク化を見据えて次のバイクに引き継げる機材を、との思惑からでした。

 

そりゃあ僕だって最新の機材には目がない方なので、次々と発表されるハイエンドモデルがディスク車ばかりならどれも魅力的に見えるし、その中の1つや2つ欲しくなるのもしょうがないって話。(先立つものがあるかどうかは別にして)

 

ただロードバイクに対して現状自分が求めるものは何だろう?と考えると、「重量は重すぎず、レースやファストランのために舗装路を速く走れ、所有欲を満たすハイエンドモデル」との結論になる。

 

現状、今のバイクはTIMEのフレームに電動コンポ&パワーメーターとロードバイクとしての自分の要求は満たしている。

 

今まで自分がロードバイクに乗っててディスクブレーキが欲しいなと思ったシチュエーションが、長野県のように超級山岳がそびえる土地を何日も登ったり下ったりしたときぐらい。

 

そう考えるとロードバイクにディスクブレーキが必要な理由は現時点では自分には無いし、さんざん投資してきた今のバイクの水準をディスクロードで満たそうと思うとそれなりの纏まった額が必要だし、それならディスクロードに関してはまぁ今のscylonが乗れなくなったら考えるかーっていうのが今のスタンス。

 

それよりも、どうせディスク車に投資するなら未舗装路を走るグラベルロードだったりCXバイクを増車したいと言うのが今の目論見だったり。。。

 

・BORA WTO 60導入までの経緯

ここまであーだこーだ言って「今の自分にはディスクロードは不要!」と結論付けてはいるけど、じゃあ何で今更リムブレーキホイールを新しく買ったのよ?ってことになるんですが、身も蓋も無いことを言うと今の手持ちのホイール(レーゼロとzipp 404 tu)が合わなかったから。

 

特にレーゼロに関しては前に使ってたボラワンがぶっ壊れてから2年半ほど騙し騙し使ってきましたが、やっぱり硬すぎて元々のフレーム剛性が高めなscylonとの相性が良くなかった。

 

それなりにトレーニングが積めてて、なおかつ良い感じに疲労が抜けてるようなよっぽど身体の調子がいい時じゃないと上手く走らせられない、超ツンデレなイメージ。

 

そんなレーゼロとしばらく距離を置きたくなって昨年導入したzipp 404を履いてみると、確かにレーゼロほど脚へのダメージは少ないのだけど、タイヤのセンターが出てないのかそもそものホイールの精度の問題なのか真っ直ぐ走らせにくいし、普段チューブレスを使ってるとチューブラーはどうしても転がり抵抗の面で劣ること、そして何より問題なのがめちゃくちゃ風に煽られる。(ボラワンでも50mmとは言え風で怖い思いをしたことはなかったのに…)

 

再びレーゼロに戻すと、zippより精度が良いのか安定感はあるけど...(以下レーゼロとzippの無限ループ

 

まぁ普段使いすることまで考えればレーゼロをとりあえず乗っとけばいいのだけど、正直レーゼロに乗っても硬すぎて自転車乗っても楽しくないってとこまで来てたので、こりゃやっぱり別のホイールを導入しなくては...とホイール探しの旅へ。

 

どうせ今更リムブレーキのホイールを買うなら、リムブレーキロードバイクとして終の形となるものを...と目星を付けていたものとしては

①roval clx 50

②CADEX

③BORA ONE 50

④BORA WTOシリーズ

あたり。

 

スペックだけで考えるなら①か②だけど、rovalはフレームによっては前輪が取り付けられないことがあるしそもそももう新品は生産されてない、②はフックレスリムやカーボンスポークなどリムブレーキのホイールとしては最先端にはあるけど高すぎるので必然的に③か④に絞られる。

 

BORAシリーズは以前乗っていたので勝手は知ったるものだけど、やはりどんな踏み方をしても受け止めてくれて、レースからロングライドまで使える懐の深いG3スポークの乗り味が未だに忘れられなかったのもあり、やっぱりまたBORAに乗りたい欲が湧いてくる。

 

問題は旧BORAとWTOのどっちにするかって問題だけど、恐らくcampagnoloと言えどもリムブレーキ用のホイールとしてきちんとリソースを割いて開発するホイールもWTOシリーズが最期になるかもしれないって予感がしたし、リムテープ無しでチューブレスが運用できる点も大きく加点となりWTOに決定。

 

あとはリムハイトを33mか45mか60mmのどれにするか?

 

45mm:汎用性を考えるなら45mmだけど、何故か45mmだけやたら硬いという話を聞く。正直もう硬いホイールは要らないかな。

 

33mm:軽さは確かに魅力だけど、scylonのうま味である平坦の走りを考えるなら無いかなぁ。

 

結局、レーゼロより誤差程度の重量が増えるか減るかだけの話なら空力重視で60mmにしちゃえ!ってなもんで60mmをポチる。

 

ただ、クリンチャー専用のBORAと比べるとどうしても重量面でのビハインドはあるし、旧BORAと比べて剛性上がってるとの話も聞くので一抹の不安はあったけどもう、後は買ってから考えよう。(思考放棄

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そんなこんなでやってきたBORA WTO

 

3kフィニッシュの模様が美しいボラワンに対して、UDフィニッシュのWTOはレーシング色強めな一方で、どうしても見た目の色気に関しては劣る感は否めない。

 

ボラワンのブライトラベルみたいに赤の差し色が入ったカラーリングが欲しかった。

 

https://www.cyclowired.jp/image/node/303959

UAEエミレーツが使っているWTOは赤の差し色が入ってるし、これステッカーでもいいから出してくれないかなぁ。

 

一通り触ってみた感じ、ボラワンはリムを指で押すと分かりやすくたわむのに対して、WTOはびくともしない程では無いけど明らかに変形量は少ない。

 

やはり新シリーズにするにあたって剛性は上げてきているようだけど、ボラワンの程よいしなりが欲しかった身としてはちょっと不安になる。

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とりあえずレーゼロと同じくIRCチューブレスタイヤを取り付けて履かせてみる。

 

うん、やはりscylonはディープリムがとてもよく似合う。けど、やっぱりロコが目立たなさすぎるので何かしらカスタムは考えたいところ。

 

BORA WTOシェイクダウンに選んだのは知多半島

 

前半は海沿いの平坦路、後半は無限にアップダウンが続く農道、そして容赦無く吹き付ける爆風とディープリムの性能を試すには持ってこいの環境。

 

とりあえず走らせてみた瞬間、すぐに分かったのはボーラ特有の踏みやすさ。

 

レーゼロの時の癖で叩きつけるようなペダリングをすると、ホイールから「そんなに踏まなくてもいいぞ」と言われてるかのよう。

 

ずっとレーゼロに乗っていたので、この圧倒的な踏みやすさはまるで実家に帰ってきたような安心感。

 

確かにボラワンより剛性は上がってるしサイスポのインプレなんかでも「ボーラらしさガー」と言ってはいるけど、最新のホイールとしてはやっぱり圧倒的に走らせやすい。

 

もうこれだけでWTO買ってよかったと思えるけど、平坦や下りを踏み踏みしてみるとチューブレスタイヤと踏みやすい剛性感のお陰もあって、ボラワンと比べても明らかにスピードが維持しやすい。

 

緩やかな下りで踏んでいくと頭打ち感がかなり少ないし、やはりWind Tunnel Optimizedの名は伊達ではないらしい。

 

そして以前に404で農道走った時はとにかく風に煽られすぎて完全にサンドバッグ状態だったけど、WTOは強風下でも同じ60mmとは思えないくらいに扱いやすい。

 

全く煽られないってことは流石に無いのだけど、404は目隠し状態で風に殴られてるようなものなら、ちょっと大袈裟だけどWTOはどこから風が来るのか事前にホイールが教えてくれるような感じ。

 

突然風があらぬ方向から吹いても急な動きをすることがないので、強風でも安心して自転車を走らせられる。

 

思えばボラワンも風で怖い思いをすることは無かったけど、カンパのカタログを見てみると「異なる2つの大陸で実走実験を重ねました」だのあらゆる走行環境を想定していますと謳われているあたり、横風への強さはボーラシリーズの特徴なのだろうか。

 

冬の農道って走り終えるまでは苦行感あるけど、BORA WTOでの初ライドが楽しすぎてあっと言う間に終わってしまった。

 

うん。やっぱりBORAはいい。

 

・総評

WTOの内幅19mmも最新エアロホイールと比べると若干時代遅れの感はあるし、恐らく純粋な走行性能ではrovalとかcadexの方が優れているだろう。

 

しかし先述の踏みやすさ、横風への耐性、そして何より乗って楽しいのは数字では表せないけど重要な美点。

 

リムテープ無しでチューブレスが運用できる点、特に手を加えなくてもホイールバランスが取れている点、ハブの性能などやはりホイールとしてのつくり込みの良さがやはりzippとかrovalより優れてるのも大きい。

 

敢えて気になる点を挙げるとするならば、AC3のブレーキ面の音鳴りが中々解消出来ないのが困るくらいかな。

 

制動力とかウェット性能は上がってるんだろうけど、ぶっちゃけブレーキ面に関してはブレーキパッドの減りやすさとかフィーリングを考えると非AC3の方が良かったかな?

 

登りに関してはまだ本格的な山岳には突っ込んでないけど、ちょっとした登りなら問題ないかなという印象。

 

少なくともレーゼロみたいに硬すぎてペダリングのリズムが取りにくい感覚は少なかったので、アップダウンのあるロードレースでも脚は残しやすいかもしれない。

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今年はコイツで頑張るぞい