【ファーストインプレ】TIME scylon
今年の夏ぐらいから探し始めていた、新しいフレーム。
求めていたのはレーシング性能を満たし、なおかつ所有欲も満たしてくれるフレーム
初めてのカーボンフレームであったcannondale super six evoはミドルグレードながらフレーム900g前後と適度に軽く、ツーリングからレースまでオールラウンドに使えるフレームであった。
何より良かったのは、マスプロメーカーならではの豊富なサイズ展開とレーシーなポジションを取りやすいアグレッシブなジオメトリー。
エアロ全盛な中で、細身でホリゾンタルに近いクラシカルなスタイルのオールラウンドモデルのみをトップに据え続ける姿勢も好感を持てた。
ただやはり人の心というのは移り気なもので、より華やかでスペックに彩られたハイエンドモデルが欲しくなるというのが悲しい自転車乗りの性。
金に糸目をつけないなら、ピナレロのドグマを迷いなく買ってる。
何度か試乗したことあるけど、アレこそまさに速くてカッコよくて栄光に彩られたスーパーバイク。
だけど、今後もレースに出ることを考えるとフレームに60万以上出すのは流石に気が引ける。。。(ケツの穴が小さいのは承知w)
他に候補に挙がっていたのがビアンキ OLTRE XR 4、コルナゴ v2-rなど。
もちろんTIMEも候補に入っていたけど、発表された18年モデルのデザインがあまりにもダサすぎて完全に候補外に。
そうなると本当にコレと思えるフレームが見当たらなくて、悶々とする日々が2,3ヶ月くらい続いた。
もういっそのことターマック買ってレーシーに全振りバイクにするか…と思ってた矢先、奇跡的に17年モデルのscylonが某ショップでセールに…!
サイズもジャスト。
もう、これは買えというお告げでしょう(使命感
休日出勤によりAACA最終戦がDNSになってムカムカしていたのもあり、気が付けばオーダーしていましたとさ。
こうして我が家にやってきたTIME scylon。
アンカー、コラテック、キャノンデールと通算して4代目のバイクとなります。
思えば大学時代にサイクリング部に入部して初めて買ったスポーツバイクが、アンカーのクロモリツーリング車であるところのC9。
最初は車重10kgオーバーのC9でも随分と感動したものだけど、しばらくして自転車の知識を身につけるとより速く走れるロードバイクが欲しくなってきた。
ひたすらネットとかでロードバイクのカタログを漁り、初めて「カッコいい!」と心が踊った自転車がTIMEだった。(あの頃のトップモデルは確かRXRSだった気がする)
ただその後に値段を見た瞬間、当時の自分にはあまりの高さに目眩がして結局はアルミフレームのコラテックに落ち着いたっけ。
あの時から月日が経って社会人となり、TIMEのフレームも随分と様変わりしたとは言え、当時憧れだったメーカーのバイクをこうしてお迎えできる日が来たかと思うと、中々感慨深いものがある。
【バイク構成】
メインコンポ:ULTEGRA 6800
ステム・ハンドル:fizik cyrano R1シリーズ
サドル:selle italia SLR titanium
ペダル:PD-9000
ホイール:campagnolo BORA ONE 50 CL
タイヤ:specialized s-works turbo 24c
バーテープ:スパカズ
ギアは前53-39、リアが11-28。
フレームと専用シートポスト、BB、ボトルケージ以外はキャノンデールに付いていたものをそっくりそのまま移植。
見て分かるように、フォークはノーマルなクラシックフォーク仕様。
AKTIVフォークも興味はあるけど、元々乗り心地の良さに定評のあるTIMEだしわざわざ付ける必要も無いだろうと思ってのチョイス。
TIMEの何が良いかなんてのは、自転車オタクなら耳にタコができるほど聞いていると思うので割愛します。
TIMEのラインナップにおいて、scylonはエアロなレースバイクという位置付け。
でもシートポスト周辺の形状がエアロっぽいのと、ダウンチューブがカムテール形状っぽい以外は、エアロフレームの要素はぶっちゃけそんなに無い。
(そもそもエアロを求めてTIMEを買う人なんていないと思うが…。)
納車してから平坦、アップダウン、ヒルクライム、40km/h前後でのローテーションと一通りのシチュエーションで動作を確認してみたのでファーストインプレッションをば。
まず乗ってみると、やはりTIMEらしく乗り心地が良いなと感じる。
キャノンデールはフレーム随所の形状を工夫することで振動を緩和していたけど、何だかナヨナヨしてて安定性には欠けるイメージだった。
対してscylonは、リア三角がラグ構造である以外は形状で振動を緩和する工夫は見受けられないが、比較的ボリュームのあるフレームとそもそものフレームの質が良いからなのか、振動を抑え込んで安定性が高い。
カーボンクリンチャーのホイールでコレなので、チューブラーを履けばおおよそ乗り心地で不満が出ることはまず無いだろうと思う。
次に剛性、これは確実に高い部類に入ると思う。
TIMEと言うと「しなりを生かした推進力」というフレーズをよく耳にする。
けど、メディアでもよく言われてるように少なくとも歴代のTIMEフレームでは1番硬いのはおおよそ想像が付く。
ダンシングなんかでペダルに体重を乗せてあげるだけで確実に前のフレームより気持ちよく進んでくれるし、人と走ってるときに中高速域でのあともう一踏みが確実に楽になった。
高負荷で踏ん張りを効かせると確実に前へと進ませてくれる。
でも硬いフレームの御多分に漏れず、脚の消耗は早い気がする。
延々とアップダウンが続く知多半島の農道で調子に乗って踏んでたら後半はすっかり脚が売り切れてしまった。
ここら辺は乗り慣れないと何とも言えない部分はあるけど、いずれにしろ綺麗にペダルを回してやる必要はあるかなと。
第1印象としては、完全にレース向けのバイクって感じ。
スピードの乗りは良いけど、速く走る上で排除すべき振動とかは効果的に減退させて走りに集中させてくれる。
ただ硬いだけじゃないのは、さすがハイエンドモデル。
散々言われてるように、見た目・乗り味共にTIMEらしいか?と問われると疑問符がつくのは確かだけど、ちゃんとRTM工法で作られてるし、とにかくカーボン柄がエロいので所有欲は確実に満たされる(コレ重要)
まずはこの冬でコイツを乗りこなせるようにしっかり練習しよう。
あなたも床の間に飾れるレースバイク、どうっすか?