panaracer RACE A EVO 4 TLC 25c インプレ
またチューブレス始めてました。
現在使用しているレーゼロコンペはチューブレスタイヤが使用可能な2way-fit。
以前はhutchinsonのfusion5 galakticを使用していましたが、劣化で交換してからしばらくはクリンチャーに戻して運用していました。
最近はどこもかしこも「チューブレスはいいぞぉ」なんて言ってますが、私はチューブレスに関しては「言うほどか?」って言うのが正直なところ。(チューブレスタイヤに関してはhutchinsonと今回のメインテーマであるpanaracerしか使ったことないことは予め断っておきます。)
確かに転がりは良い気がするし、空気圧を調整することで走行性能をクリンチャーほどスポイルさせずに乗り心地をカスタマイズできるのは、チューブレスにしか無い利点でしょうけど。
以下、チューブレスのダメなところ
チューブレスのダメな点その①:取り扱いがクソめんどい
まぁよく言われることですね。mavicのUSTなんかはここら辺をクリアしてるんでしょうけど。今のところタイヤを嵌める段階で苦労したことはないですが、はまってもビードが中々上がらないし、シーラントが要るし、空気漏れやすいし。1dayライドとか近場を走る分には良いけど、連泊ツーリングとかに履かせるにはかなり心配。
チューブレスのダメな点その②:メーカーによって微妙に規格ないし精度が異なること
個人的にはチューブレスの諸問題の大半がこれに帰結するんじゃないかと思ってたりする。
mavicのUSTは「ホイールとタイヤを専用設計にすることでチューブレスを使いやすくしました!」と謳ってるけど、そもそもそんな当たり前のことがセールスポイントになるということ自体がどうなのよ?って話。
チューブレスはタイヤとのはめ合わせがとても重要な要素なのに、業界でその規格が正確に統一されてないのが現状。
例えば私も今使用しているレーゼロコンペなんて通常の方法ではIRCのチューブレスが使えないし、そのことについてメーカーからの公式なアナウンスは調べた限りありません。
何でユーザー側が手持ちのホイールに、使いたいチューブレスタイヤが合うかどうかを調べなあかんのかと。
せめてspecializedみたいに、タイヤとホイールとの相性をこんな風にアナウンスしてくれるだけでもだいぶ助かるのだが。
閑話休題。
表題のpanaracer RACE A EVO 4 TLC。
今までpanaracerのタイヤ使ったことなかったし、あのトンガリヘッドなタイヤがどうしても気になって今まで手が出なかった。
けど、この度ラインナップを刷新したpanaracerのタイヤを何気なく眺めいたらとても気になったのがこのタイヤ。
チューブレスレディの25cタイヤで210g…?
クリンチャーとの誤表記じゃないの?と最初は疑ったけどどうやら間違いじゃないらしい。
チューブレスと言ったら、確かに転がりと乗り心地はいいけどタイヤだけで空気を保持しないといけないためクリンチャーより重くなるのが常だったし、この重さがチューブレスを敬遠していた理由の一つであった。
シーラント使用が前提とはいえ、この軽さでチューブレスタイヤが使えるとしたらひょっとしてとんでもない可能性を秘めているのでは?
との期待から導入してみることに。
取り付け自体は、レーゼロコンペに関してはそこまで苦労せず手で嵌めることができた。
鬼門のビード上げは、前輪はエアタンク付きのフロアポンプで一発OK。
後輪が中々上がらずに苦労したけど、タイヤの位置をずらして何度か試してみたら無事にビードが上がる。
あとはシーラントを規定量入れてみるけど、本当に大変なのはここからだった。
シーラント入れて数日経っても空気漏れが酷く、空気を入れても数時間で半分以下の空気圧になってしまう。
酷い時にはヒルクライムして飯食って下山する頃にはここまで空気が抜ける始末。
タイヤがリムに密着出来てないのでは?と空気パンパンに入れてみても効果なし。
何やこれ…と思って調べてみたら、どうやらシーラントがタイヤに浸透するには一旦空気圧を1気圧程まで下げて時間を置く必要があるらしい。
試しに空気抜いて両面裏返しながら一晩置いてみたら1dayライドを問題なくこなせる程度には空気を保持してくれるようになった。
このタイヤをインストールして2ヶ月ほど、シマノ鈴鹿やAACA等のレースから普段の練習まで一通り使い倒してみた感想としては、身も蓋もない話になるけど「こんだけ軽けりゃ武器にならないはずはないよね」と言ったところ。
クリンチャーやチューブラー含めて、タイヤシステムだけで見ればこのRACE A EVOより軽い重量で自転車を走らせられるタイヤはそうそう無いだろう。
その軽さのお陰で、特に登りでもがく時なんかは本当にギア1,2枚変わるくらいの恩恵はある。いつも登る短い坂なんかでいつもならここら辺でギア落とすけど、このタイヤならギアを落とさずに登りきれる。
AACAでもこの軽さのお陰でコーナーの立ち上がりがかなり楽だった。
あまりに軽さが前面に出るもんだからチューブレスの売りである転がり性能とかグリップ性能に関する印象は薄いのだけど、よくよく考えればpanaracer伝統のトンガリヘッドの割にはコーナリングの違和感は感じないし、下りでのスピードの乗りも速いので軽さ以外の性能も申し分は無い。
耐久性・耐パンク性に関してはまだ何とも言えないけど、タイヤに結構傷が入ってるのを見ると、そこら辺はシーラント使用前提である程度割り切っているのかなという感じ。
オンロードを走る分には普段使いでも問題ないけど、グラベルに突っ込むのはやめた方が良さげ。
空気圧は6.0barから試してみて、前後とも5.7〜5.8bar前後に落ち着いてる。(体重64kg)
hutchinsonでは5.5barで運用していたけど、そもそものタイヤ幅が細めなのと、軽さを活かすとなると空気圧は気持ち高めに設定してあげた方が良いかなと。
こんだけ重量が軽いとコルサスピードみたいに決戦用でしか使えないようなゲテモノかな?と思ってたけど、思った以上にオールラウンダーなタイヤで良い意味で拍子抜け。
レーゼロみたいなローハイトのアルミホイールに履かせるよりかは、クリンチャー専用と比べるとリムが重くなりがちなカーボンディープに履かせたらすごく良さげだなぁと妄想してみる。
ただ前に使ってたturbo cottonが乗ってて気持ち良さを感じるような上質さが売りだったのに対し、このタイヤはこんだけ軽い癖にソツが無さすぎて面白味には欠けるかなって感じ。
もう少し空気漏れを何とかしてくれればなぁと思うけど、そこは軽さとのトレードオフなので何とも言えないところ。
そして何よりこれだけの軽さを実現してくれながらもお値段が定価で6.5kとお財布に優しく、日本メーカーだけあって入手性が良くメーカーのサポートが受けやすいのが魅力的。
チューブレスレディの運用に抵抗が無く、尚且つこの軽さにピンと来たなら一度使ってみて損は無いと思います。